松原 正明・敬子

松原 正明・敬子さん近影

産山で育った牛や豚の素晴らしさを1人でも多くの人に知ってもらいたい

プロフィール

松原 正明(まつばら まさあき)さん/昭和32年、阿蘇郡産山村生まれ。松原 敬子(まつばら けいこ)さん/昭和30年、阿蘇市一の宮町生まれ。
阿蘇郡産山村在住。市町村合併に伴い、平成16年9月に産山村で育てられた希少な「放牧あか牛」を食べることができる『焼肉 正』を開店。

きっかけ

うぶやま黒豚の商品画像町村合併時に役場から農業に参入するようにすすめられ、自宅を開放して産山の素材で地産地消に根ざした1日2組限定のレストランを開いてはどうかと考えたんです。前菜やスープ、デザートなどには季節ごとに採れる地元の材料をできるだけ利用し、焼肉のタレやキムチを含めてすべて手作りです。

産山の美味しい水と牧草で育てた「放牧あか牛」や梅酢を飲ませた「放牧梅酢黒豚」を使った焼肉や韓国料理をお出ししています。「放牧あか牛」は全国名水百選に選ばれている「池山水源」の水と阿蘇の良質な牧草をふんだんに与え、放牧してのびのびと育てられているのが特徴です。阿蘇のあか牛の中でもあまり流通していない貴重な牛です。

集う場所

焼肉「正」外観画像牛、豚を生産者から1頭丸ごと買い受けて、ロースやサーロイン、ミスシ・カイノミ等のレアな部位と、この牛のホルモンを焼肉で提供しています。またお客様から自宅でも食べたいというご要望を多くいただいて、開店して2~3年後から肉を販売することにしました。さらに、産山の観光牧場にある工房で、なるべく添加物を使用せずにハムやベーコンソーセージを製造して販売しています。

平成26年12月に、肉の直売所とイートインスペースを開きました。地元のみなさんが気軽に集まったり、池山水源に水を汲みに来られる観光客のかたの立寄所となっています。

今後の展望

笑顔の絶えないご夫婦の写真私たちはこの店を、産山村の魅力をPRできるアンテナショップにしたいと考えています。産山村には立派な草原があり。そこで育った牛は素材として素晴らしいのに、まだまだ評価されていません。1人でも多くの人に知ってもらえたらと思います。美味しい肉ときれいな水、季節に応じて楽しめる農産物が育つこの村は、とても恵まれていると思うんです。ただ個人では限界があるので、村の皆でどう力を合わせて頑張ることができるかでしょう。漬け物や煮しめなどの料理法や、茅葺屋根などを造る知識や技術などがだんだん消えていくのも重要な問題。草原も同じです。なくすのは簡単ですが、復活させるのは本当に難しい。文化を継承していく必要性も強く感じています。

産山村には池山水源や観光牧場、ヒゴタイ公園やキャンプ場があり、自然がたくさん残っています。美味しい料理を食べることができる本格的な旅館もあるので、少しでも多くの人に滞在して欲しいと思いますね。

  • このページの原稿と写真は公益財団法人阿蘇グリーンストック発行「草原だより Vol.51」より抜粋いたしました。
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