世界農業遺産としての価値

水の恵み

 主な水源地と一級河川

白川水源

熊本市内を流れる一級河川「白川」は、その流水のほとんどが上流域の阿蘇カルデラに降り注いだ雨や湧水を集めたものです。中流域に降った雨は地下に浸透するため、白川にはほとんど流れ込まないのです。つまり、白川を流れる水は阿蘇カルデラの水といっても過言ではありません。阿蘇カルデラは阿蘇谷と南郷谷の2つに分かれますが、白川も阿蘇谷の黒川、南郷谷の白川がカルデラの入口で合流したものです。この白川の最上流部で忽然と水を噴き上げているのが白川水源です。毎分60トン湧き出る水は湧水地点からすぐに幅5mほどの川となり、膝までつかるかと思われる流量で流れています。

白川水源

池山水源

阿蘇方面から車で別府一の宮線を北上し、途中から右折し産山北部小へ向かいます。産山北部小手前から左折し数分走ると「池山水源」があります。ここ池山水源は、標高780mのところにあり、全国名水百選、熊本名水百選にも選ばれている水が池の底から湧いています。一年中、この水を求めて汲みに来る人が絶えない名水です。以前はある飲料水メーカーが、ここの水をもとに作った清涼飲料水を発売していました。いまでも、この水そのものを販売したり、この水で日本酒を造ったりしています。

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山吹水源

駐車場から林道へ入り産山川に沿って1km弱歩くと、森の中に、熊本名水百選にも選ばれているきれいな水が池の底から湧いています。この「山吹水源」は、水温は年間を通して約13~14℃、湧き出る水量は毎分30トン、pH7、透明度は高く、カワゲラの仲間やサワガニなど水のきれいなところにすむ生物がみられます。この水は、大分県の久住の山々に降った雨が、阿蘇や久住の火山噴出物の未固結層(まだ固まっていない地層)に時間をかけてしみこんだものです。『しみこんでいった水は、その下にあるさらに古い久住の火山泥流のかたい地層で止まり、その上を流れていくと未固結層の切れ目で地表に出て、湧水として湧き出てくる(一の宮町史のP149より引用)』というわけです。その流れは産山川となり、いろいろな川と合流しながら大分県へと流れて、一級河川の大野川となります。

山吹水源

竹崎水源

阿蘇カルデラ中央火口丘(阿蘇五岳)からの湧水ではなく、南外輪に降った雨が地下をとおり湧き出している水源です。すぐ近くで白川が両併川と合流していますが、この湧水は両併川に流れ込んでいます。総水量は1秒に2トン、毎分120トン、1日17万2千トンという膨大な量で、両併川より数倍の流量のように見えます。水源地は池というよりも川のようになっており、川に沿うように湧水地点が並んでおり、黒い砂を吹き上げている様子は壮観です。岸辺には竹林や椿が自生しており、地元では椿の根付近から湧き出す水がおいしいとのことです。また、この水源地には水草が大量に繁茂しており、湧水の流れに合わせて揺れる様子は心を和ませてくれます。そして、春先には岸辺にセリが芽を出します。清水に育ったセリには何とも言えない芳香を含んでおり、旬の味を楽しむことができます。

竹崎水源

阿蘇を源流とする一級河川

河川名 源流
大野川 産山村、波野村、久住町
五ヶ瀬川 菊陽町
緑川 西原村
白川 阿蘇市
菊池川 菊池市旭志
筑後川 小国町、南小国町