井上 秀和

井上秀和さん近影

池山水源の湧水で仕込む豆腐で、豊かでおいしい水と自然の豊かさをアピールしたい。

プロフィール

昭和57年、産山生まれ。阿蘇清峰高校(現阿蘇中央高校)卒業後、進学のため東京へ。埼玉で就職し、平成24年4月に帰郷。現在は実家の「喜戸とうふ」で豆腐造りに励むかたわら、消防団と野焼きの活動にも貢献。趣味は車の運転。両親とともに産山村田尻に暮らす。

きっかけ

アゲの写真埼玉の企業に勤めていましたが、思うところがあって昨年4月に帰郷。本音を言えば、埼玉で仕事を続けていたかったのですが、兄と妹も産山を離れているため、店と両親のことが気がかりに。豆腐屋を継ぐなら早いほうが・・・という思いもあって帰ってきました。

子供の頃は都会への憧れが強く、大自然の中での暮らしが好きにはなれませんでした。しかし都会に暮らしていて思い出すのは地元の友達のこと。歳を重ねるごとに懐かしく感じるようになりました。
遮るものがない雄大な草原の素晴らしさは変わりがなく、都会にはない景色の良さを実感。また、農業で頑張る同世代も多く、励みになっています。

お店のこと

名水豆腐の写真もともとは米と大根を作る農家でしたが、11年前に豆腐屋に転身。祖父も豆腐造りをしていたようで、ノウハウはありました。池山水源の湧水で仕込むことで大豆本来の甘みが強く、口当たりもソフトな豆腐にでき上がります。
すべて手作りなので、毎回同じものができるわけではありません。水の量やにがりの量など微調整が必要で、見極めが難しいですね。少しでも多すぎたり少なすぎたりすると、出来映えが大きく変わってしまいますから。
まだまだ父の豆腐の味には達していませんが、経験を重ねたことで、最初の頃よりもおいしくなっているようです。
今は、父が夜10時頃に起きて作りはじめ、私が5時から引き継ぎ、豆腐の仕上げやあげを作るというローテーションを取っています。接客は母が担当し、親子3人で切り盛りしています。

今後の展望・夢

喜戸とうふ外観の写真現在は父の豆腐を真似ているだけですが、自分なりの味を出していきたいなと少しずつ考えるようになりました。友人たちもアイデアを出して協力してくれるのですが、まずは基本を極めないと。父の真面目で細かい性格がおいしい豆腐をうみだすようなので、努力の積み重ねを惜しまないようにしたいと思います。

湧水でおいしい豆腐を作ることで、産山村の水のおいしさもPRできます。民宿のお客さんも「山の豆腐はおいしいね」とお土産に買い求めてくれます。豆腐作りの技を磨き、産山の地域や自然にも貢献できればいいですね。

  • このページの原稿と写真は公益財団法人阿蘇グリーンストック発行「草原だより Vol.58」より抜粋いたしました。
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