河津 美香

河津美香さん近影

 

都市と山里を行き来しなが ら、地域間のつながりや人と人との結びつき育む

プロフィール

河津美香さん/昭和47年、南小国生まれ。小国高校を卒業後、福岡の短大に進学。在学中2年間のオーストラリア留学を経て、卒業後は熊本や福岡で会社員を務める。平成18年5月に南小国の実家に戻り、母親が営む農家の宿「さこんうえの蛙」で、料理アシスタント、ホームページ作成、広報などを手伝う。

きっかけ

くつろぎ処「心んまcoconma」の写真3姉妹の末っ子で、姉2人がすでに嫁いでしまいましたから、いずれは私が実家を継ぐのだと思っていました。特別、戻る理由もなく、南小国に住むと自由がなくなるような気がしていました。しかし、自分が将来何らかの仕事に取り組む時、かえって田舎の方がやりやすいのではと思い始めたのです。

さまざまな企業で、さまざまな業務を経験しました。コールセンターでの人材教育や、外資系企業の秘書など、仕事内容は多岐にわたりました。現在も宿の仕事の他に、熊本や福岡でカラーコーディネーターの講師や、社員教育、研修などのアシスタントを行っています。

アイデアの提案

客室の写真農家が民宿をすることが、どういうものなのかもよくわかりませんでした。しかし、母から「オーストラリアでファームステイが行なわれているので、ぜひ体験してみたい」と連絡があり、帰国する前でしたので一緒に体験しました。母は自分のやりたいことを明確にし、自信をつけて帰国しましたが、私はファームステイというものを本当に知らなくて。当時は姉も独身でしたから、自分が南小国に戻って手伝うなど想像もしていませんでした。

実際に手伝ってみると感心せずにはいられません。また、両親とも勉強熱心で、海外に研修に行き、いいと思うものは自分なりに取り入れてくるのです。
技術は見て学ぶことができますが、母が抱く料理に対する想いに至るには年月が必要だと感じました。お客様に喜んでもらいたいという想いや、父が作った野菜を無駄にしないようにという想いなど、想いから生まれた料理なので、その本当の意味は、自分が歳を重ねないと理解できないと思います。私たちの農家民泊のコンセプトは、何もない不便を楽しむこと。あえて、私たちが体験を用意しなくても、自分たちで体験することを見つけることが大切なんです。私が子どものころに遊んでいたこと、例えば釣りをしたり、山の中を探検したり、自然の中で大いに遊んだ後に、母の料理に舌鼓を打つというようなこと。それを体験してもらえたらと思っています。

今後の夢・展望


野菜の収穫をする河津美香さんの写真
民泊自体は今の形を維持していくことが一番。両親ともに元気なので、私が表に出てということはまだまだ先のことです。しかし、豊かな自然や昔ながらの人付き合いは、私の子供の頃と変わりないので、この地域性を生かして、将来子どもの教育にも携わっていきたいですね。

南小国に帰ってきて感じたのは、若い方や他県から移住されてきた方が多いこと。夢を持って南小国で頑張っている個性的な方ばかりなので、私も張り合いが出ます。街の活性化にも繋がりますので、この若い力を繋げる地域的な活動にも関わって行きたいですね。
今はまだ勉強させてもらっている段階ですが、人と人とのつながりを大切にしながら、その体験を両親の農家民泊や自分の仕事に生かしていきたいですね。

  • このページの原稿と写真は公益財団法人阿蘇グリーンストック発行「草原だより Vol.34」より抜粋いたしました。
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